こんにちは多聞です。
今回は配当利回り3.9%の「4312 サイバネットシステム」についてファンダメンタルズ分析を行います。
*2021/11/13現在
この記事の主旨
・サイバネットシステムの業績・財務状況・キャッシュ・配当を分析
・その上で長期保有できる株価どうか判断する
サイバネットシステムについて
簡単な概要
決算 | 12月 |
---|---|
設立 | 1985.4 |
上場 | 2001.10 |
特色 | 富士ソフト子会社。設計用CAEソフト主力。ライセンス販売が約7割占める。自社品強化中 |
連結事業 | CAEソリューションサービス81(24)、ITソリューションサービス19(8)【海外】21 <20・12> |
業種コード | 5250 |
業種名 | 情報・通信業 |
解説記事 | 【減益幅拡大】柱のCAEは精密機器向け堅調、前期苦戦の自動車向けとコンサルも回復。ITはテレワーク追い風にセキュリティソフト伸長。が、大口ベンダーとの契約が下期終了で営業減益幅拡大。減損。減配。22年12月期は契約終了の打撃が続く。 【手当て】契約終了の光学設計ソフトは他社製品の新規取り扱いを検討中、光学設計のみを扱う韓国拠点は、事業譲渡へ。 |
ターニングポイント
- 1985年:米国CDC社の日本法人が、サイバネットサービス事業を分離独立させ、サイバネットシステム株式会社をに設立
- 富士ソフト株式会社の100%子会社となる
- 2005年以降、毎年他社を子会社化・吸収合併している
要点
富士ソフトの100%子会社
商品の7割がライセンス商品で自社商品の割合が少ない
子会社を多くしているのは自社商品の数を多くするのが狙いと思われる
サイバネットシステムの業績:2013年以降は成長曲線
下のグラフはサイバネットシステムの業績です。
赤枠が比較的重要な項目です。
売上高:◎
2013年以降は右肩上がりで好印象です。
営業利益率:○
こちらも2013年以降は微増し続けています。
ただし、利益率自体は最近にまで10%なかったのでそのあたりはマイナスポイントです。
EPS(1株当たり当期純利益):✕
EPSはアップダウンが激しいです。
特に2018年は
・利益率の高い大型案件の受注が困難になった
・カナダの子会社ののれん減損損失を特別損失として計上
となったため大きなマイナスになっており、この点から慎重にならざる負えないです。
セグメント別利益
両方ともある程度大きな規模で行っており、時代の流行に則した事業なので不安点はあまりありません。
サイバネットシステムの財務体質:横ばい
総資産:○
総資産は微増です。
自己資本比率:△
少しずつ低下中です。
BPS(1株当たり純資産):○
BPSは微増です。
株主にとって価値が上がり続けています。
*総資産回転率(売上高÷総資産) :
総資産回転率は経営効率を計る指標で「保有資産1円がいくらの売上を生むか?」という指標になります。
とりあえず直近で1円くらいなので及第点でしょう。
回転率も最近は上昇傾向でもあるので心強いです。
サイバネットシステムのキャッシュの動き:キャッシュは優秀
営業活動によるCF:◎
黒字を出し続けているのは良いです。
フリーCF:◎
ここ10年は黒字です。
現金:◎
2012年から増加し続けています。
総資産に占めるネットキャッシュの割合:△
ネットキャッシュは「現金」ー「有利子負債」で示されます。
そのネットキャッシュが総資産に占める割合を表すと下の図表になります。
総資産に占めるネットキャッシュの割合が多いほどその企業の財務は健全と評価できます。
総資産に占めるネットキャッシュの割合は46%もあり財務的にはとても健全ですね。
健全すぎるのでもう少し投資をして利益をとれる体制にするといいのではとも思います。
サイバネットシステムの配当:ばらつき多く不安
一株配当:〇
増え続けています。
配当性向:△
直近は45%ですが、赤転したり100%を超えることがあるなど不安が無いわけではありません。
*自社株買い
自社株買いについて簡単にまとめます。
- 株主のメリット
- 株価が押し上げられる
- 一株当たりの利益の割り当てが増える
- 会社のメリット
- 配当の総額を減らすことができる
サイバネットシステムの株価:横ばい
サイバネットシステムの過去2年間の株価のチャートは以下のようになります。
500~1000円まで間でボックスレンジを形成している感じにも思えます。
この感じの波形はどちらかにはねることがありうるので、買う場合は株価の波形は注目し続ける必要があると思います。
評判
では、巷の評判を見てみましょう。
見るのは
- Googleのサジェスト
- 社員からの評判
- 投資家からの評判
Googleサジェスト
「サイバネットシステム」で検索してみると以下のようなサジェストが出ました。
あまり興味深いサジェストは無いです。
社員からの評判
社員の代謝が早いとなっていますが、これは人がいつかないということとも言えます。
また、有能な人ほど早くにやめる傾向が強いという人がいます。
海外のライセンス製品が多いのである意味国際的な能力が高い会社ではあります。
投資家からの評判
- 950円目標
*ヤフーの掲示板は荒れまくっているのでその他の意見はあまりありません。
総括:現在は割高で投資不適格だが株価が下がってからは買っても良い
簡単にまとめますと以下のようになります。
- 業績:2013年以降は微成長
- 財務体質:横ばい
- キャッシュ:常に黒字で良い印象
- 配当:上下が激しく安定感はない
- PBR:1.63倍:割高
あまり長期保有の高配当株として保有するには不適格な株です。
一番の理由は配当が安定しない点です。
配当を頑張る姿勢はありそうなのですが、配当性向が高すぎる場合もありますし、配当が下がることも過去にありました。
この点から配当を期待しての長期保有は難しいです。
あと、PBRが1.63倍になっているのも美味しくないですね。