こんにちは多聞です。
今回は配当利回り3.9%の「4644 イマジニア」についてファンダメンタルズ分析を行います。
*2021/11/20現在
この記事の主旨
・イマジニアの業績・財務状況・キャッシュ・配当を分析
・その上で長期保有できる株価どうか判断する
イマジニアについて
簡単な概要
決算 | 3月 |
---|---|
設立 | 1986.1 |
上場 | 1996.7 |
特色 | モバイルコンテンツ配信、企画が柱。パッケージソフト、キャラクターのライセンス商品販売も |
連結事業 | コンテンツ100【海外】15 <21・3> |
業種コード | 5250 |
業種名 | 情報・通信業 |
解説記事 | 【高水準】昨年末投入の任天堂スイッチ向けゲーム『Fit Boxing』の最新作が堅調増。人気スマホゲーム『メダロットS』が下支え。先行費用増で営業益小反落だが、水準は高い。普通40円配の公算も。 【東横イン】『Fit Boxing』をプレイ体験できるホテル宿泊プランを共同商品化、7月末新店で実証し、好反応なら横展開も。スマホゲーム新作開発に積極投資。 |
ターニングポイント
- 1986年:ミサワホームホールディングスのグループ企業として、コンピュータ技術と融合する未来の住宅像」を研究するために設立された
- 1986年:メディアミックスの先駆け『銀河伝承』でファミリーコンピュータ市場に参入
- 1990年:シムシティを発売
- 1997年:メダロットを発売
- 1998年:株式会社サンリオと共同で、キャラクター管理会社タイムネット株式会社設立
- 2004年にタイムネットは解散
- 2005年:ロケットカンパニー株式会社の株式を取得し子会社化
- 撤退していたコンシューマー事業に再度参入
- 2008年:投資教育事業分野への参入
- 2014年:NTTドコモとの共同事業として、教養動画サービス「10 M TV オピニオン」提供
要点
ミサワホームのグループ企業として誕生したが、現在は各種教育関連のアプリ・ゲームの開発販売会社の面が強いように思えます。
また、認知度の高い一般顧客向けのアプリ・ゲームのライセンスも保持しているようです。
教育関連のアプリ・ゲームは簡単に示すと以下のようになります。
- 株式
- 幼児教育
- 漢検
- 一般教養動画サービス
認知度の高いアプリ・ゲームは以下のとおりです。
- サンリオ
- メダロット
- ぐでたま
- FIT Boxingシリーズ
- すみっコぐらし
イマジニアは上記のアプリやゲームをメディアミックス展開して利益を上げるのが得意なようです。
イマジニアの業績:2015年以降は成長曲線
下のグラフはイマジニアの業績です。
赤枠が比較的重要な項目です。
売上高:○
2015年以降は基本的に右肩上がりです。
営業利益率:◎
13~20%の間をうろうろしています。
日本に企業は10%以上あればかなり優秀なので良い印象です。
EPS(1株当たり当期純利益):○
2011年から右肩上がりな感じです。
セグメント別利益
見ての通り再生可能エネルギー事業が足を引っ張っています。
最も2020年3月いっぱいでこの事業から撤退したので今後は考慮しなくていいです。
とりあえず現状はコンテンツ事業が順調に伸びていってます。
イマジニアの財務体質:優秀
総資産:◎
総資産は増加傾向です。
自己資本比率:◎
安定して90%前後を維持しています。
BPS(1株当たり純資産):◎
BPSは増加傾向です。
株主にとって価値が上がり続けています。
*総資産回転率(売上高÷総資産) :直近の上昇基調は良い
総資産回転率は経営効率を計る指標で「保有資産1円がいくらの売上を生むか?」という指標になります。
最近は上昇基調ですので今後に期待です。
イマジニアのキャッシュの動き:キャッシュは微妙
営業活動によるCF:○
基本的には黒字です。
ただし、安定はしていません。
フリーCF:△
2016年と2017年が赤字です。
この赤字は投資有価証券を大量に買ったことが原因のようです。
この有価証券がどうなるかはわかりません。
本来、投資CFは会社が傾かない程度に赤字であることが望ましいにもかかわらずイマジニアは黒字であることが多いのは投資売買を行っているからかもしれません。
個人的には本業をもっと成長させてほしいとも思います。
総資産に占めるネットキャッシュの割合:2017年以外は良い
ネットキャッシュは「現金」ー「有利子負債」で示されます。
そのネットキャッシュが総資産に占める割合を表すと下の図表になります。
総資産に占めるネットキャッシュの割合が多いほどその企業の財務は健全と評価できます。
基本的には総資産におけるネットキャッシュの割合は6割から8割くらいです。
これだけあると安心できるのですが、2017年に有価証券を大量に買った影響と思われるネットキャッシュの激減は不安にさせられます。
イマジニアの配当:悪くないが不安がないわけではない
一株配当:○
理由のない減配はしていません。
2016年は企業30周年記念配当があったため配当金が上がっています。
配当性向:○
30%〜50%を目処にしている印象です。
2022年に30%を超えれば株主を大事にしている印象を持てそうです。
*自社株買い
自社株買いについて簡単にまとめます。
- 株主のメリット
- 株価が押し上げられる
- 一株当たりの利益の割り当てが増える
- 会社のメリット
- 配当の総額を減らすことができる
イマジニアの株価:下降傾向
イマジニアの過去10年間の株価のチャートは以下のようになります。
株価は基本的に800円から1200円をウロウロしていて、現在は900円くらいに収束していっています。
ここから緩やかに外れていくとそちらに飛んでいくかもしれません。
評判
では、巷の評判を見てみましょう。
見るのは
- Googleのサジェスト
- 投資家からの評判
Googleサジェスト
「イマジニア」で検索してみると以下のようなサジェストが出ました。
目を引くのは「ディズニー」「任天堂」「メダロット撤退」ですかね。
「ディズニー」はディズニーランド内の技術者集団の話でイマジニア株式会社は関係ありません。
「任天堂」はNintendo Switch用ソフト「Fit Boxing 2」に関する事柄でした。
「メダロット撤退」は過去にメダロットから撤退したことを指していました。
特に経営に直撃するサジェストではありませんね。
投資家からの評判
- すみっコたちを描く劇場版2弾が公開から2週目でシリーズ初の首位に
- 映画の度に新規流入によりすみっコ農園のダウンロードランキングが上昇
- 『メダロット』シリーズの海外名「MEDABOTS」の商標権を巡ってイマジニアが争う
- 商標裁判所はイマジニアの主張を全面的に支持
- フィットボクシングはよく頑張った
基本的に販売しているコンテンツの話題が多いですね。
やはり一般向けのゲームを販売している関係上それらのゲームがどうなっているかが注目されています。
総括:購入候補には十分だが、コンテンツ事業の不安定性がネック
簡単にまとめますと以下のようになります。
- 業績:右肩上がり
- 財務体質:優秀
- キャッシュ:投資売買を頻繁に売買しており安定性に欠ける
- 配当:安定している
- PBR:0.94倍:やや割安
基本的には投資しても良い会社だと思います。
しかし、長期間保有する高配当株として考えると投資売買が多い点とコンテンツ事業そのものが安定性が低いことがマイナスポイントです。
長期間保有し続けるにはリスクが高いと思います。
今後もイマジニアはコンテンツ事業が安定して成長させて行ってくれると信じるなら間違いなく買いです。
また、ポートフォリオのスパイスとして買うのもありかもしれません。