こんにちは多聞です。
今回は配当利回り5%の「明星工業」についてファンダメンタルズ分析を行います。
*2021/8/16現在
明星工業について
簡単な概要は以下の通りです。
決算 | 3月 |
---|---|
設立 | 1947.7 |
上場 | 1971.10 |
特色 | 熱絶縁工事に強い建設工事会社。海外LNG出荷基地工事に実績。構造物補強など環境関連も |
連結事業 | 建設工事90(14)、ボイラ10(3)【海外】7 <21・3> |
業種コード | 2050 |
業種名 | 建設業 |
解説記事 | 【減 配】期初受注残が158億円(前期167億円)に減少。受注・完工はLNGプラント等の大型一巡し、改修やメンテ工事を積み上げる。が、労務費増に資材高も加わり粗利率低下。営業益減退。減配。 【新中計】24年3月期売上高550億円、営業益66億円を目標。断熱事業はプラント等のLNG関連から、再生エネや水素・アンモニアに対応シフト。M&Aにも意欲。 |
建設業に分類されるが、一般住宅ではなく天然ガスの出荷基地工事が得意な企業のようです。
その中でも得意のは断熱事業みたいですね。
現在は天然ガス関連から流行りの再生エネルギーや水素関連に対応をシフトする計画を立てています。
M&Aも視野に入れているようなのでいい会社を買収できたら面白そうです。
明星工業の売上と利益について
下のグラフは明星工業の業績です。
赤枠が比較的重要な項目です。
売上高:△
売上高は2017年から横ばいです。
営業利益率:△
こちらも横ばいで、直近3年は軟調になりつつあります。
それでも2015年以降は常に10~13%前後の高い利益率を維持しています。
かなり業界内でも競争力の高いビジネスを持っているのでしょう。
ちなみに建設業の利益率ですが、5%前後以下の企業が多いです。
EPS(1株当たり当期純利益):△
これも横ばいです。
2015年から上昇していますがそれ以降は横ばいで、直近ではむしろ軟調になっています。
明星工業の財務体質
下のグラフは明星工業の財務状況になります。
総資産:◎
総資産は2011年以降右肩上がりです。
この伸び方がかなり順調で好印象です。
自己資本比率:○
自己資本比率は微増し続けています。
財務体質は強化し続けていますね。
BPS(1株当たり純資産):〇
右肩上がりです。
株主にとっての企業価値が増加しています。
有利子負債:◎
有利子負債は下げ続けていてもうほとんどない状態です。
健全な財務状況です。
*総資産回転率(売上高÷総資産)
総資産回転率は経営効率を計る指標で「保有資産1円がいくらの売上を生むか?」という指標になります。
正直、総資産回転率は右肩下がりです。
つまり、遊ばせているお金が積もり続けている状態です。
こうなると期待したいのはそうした余剰資金を株主に還元してもらいたいですね。
明星工業のキャッシュの動き
営業活動によるCF:〇
上がり下がりが激しいです。
それでも基本的に黒字を出し続けているのは良い傾向だと思います。
フリーCF:〇
こちらも上がり下がりが激しいですが、基本的に黒字です。
現金:○
一応増加し続けています。
ただ、直近4年は横ばいなので下がらないか注意が必要です。
ネットキャッシュ及び総資産に占める割合:〇
明星工業は有利子負債が無いので現金がそのままネットキャッシュになります。
そのネットキャッシュが総資産に占める割合を表すと下の図表になります。
2008年以降は順調に負債を減らし、その勢いのまま増えています。
良い調子です。
明星工業の配当
一株配当:◎
累進配当政策を行っている感じですね。
また、配当性向が50%に急騰することがあっても配当金は維持しているので株主への安定した還元意識はありそうで、印象は良いです。
配当性向:○
配当性向は直近で33%とまだ安全なラインにいる感じです。
*自社株買い
自社株買いについて簡単にまとめます。
- 株主のメリット
- 株価が押し上げられる
- 一株当たりの利益の割り当てが増える
- 会社のメリット
- 配当の総額を減らすことができる
明星工業は割と頻繁に自社株買いを行っています。
明星工業の株価
過去10年間の株価のチャートは以下のようになります。
2018年まで上昇傾向でその後は横ばいな感じです。
ここから急落しなければ、という感じです。
総括:業績は物足りないが長期高配当株として良い
簡単にまとめますと以下のようになります。
- 業績は横ばい
- 財務体質は超優秀
- キャッシュは問題なし
- 配当に対する姿勢は優秀
- PBR:0.71倍
- 断熱事業という分野で国内大手
- 良くも悪くも昭和の会社という企業風土
- 現在の閉塞感を打破するために変化をしようと努力中
高配当株としては優秀な会社だと思います。
PBRは0.71と1を切っているので市場からは割安な株とみられています。
Yahooの掲示板を見る限り、どうして現在ここまでのPBRになっているのかよくわからない会社というコメントが見られました。
手を出して見ても良い会社かもしれません。