こんにちは多聞です。
今回は配当利回り4.0%の「3420 ケー・エフ・シー」についてファンダメンタルズ分析を行います。
*2021/10/現在
この記事の主旨
・ケー・エフ・シーの業績・財務状況・キャッシュ・配当を分析
・その上で長期保有できる株価どうか判断する
決算 | 3月 |
---|---|
設立 | 1965.3 |
上場 | 1997.12 |
特色 | 建設資材の販売、施工。アンカーボルト2位、トンネル用ボルト首位。耐震耐火補強工事に強み |
連結事業 | ファスナー33(17)、土木資材23(4)、建設44(13) <21・3> |
業種コード | 3550 |
業種名 | 金属製品 |
解説記事 | 【減益幅縮小】土木資材は新設トンネル工事減少で一服。主力の補修用あと施工アンカーや耐震せん断RMA工法は堅調。建設事業も工事進捗が想定超。原材料高が響き営業減益だが、前号より幅は縮小。減配。 【元請け】建設工事は元請け比率を現状40%から数年内に50%へ。耐震せん断RMA工法は従来の上下水道施設向けに加え、河川の水門、ダムへの採用拡大目指す。 |
ケー・エフ・シーについて
簡単な概要は以下の通りです。
簡単な沿革
- 1965年 建設ファスナー類即ちホークアンカー、建設用鋲打工具、ピン、空包、その他の全国販売を開始
- 1967年 米国オリン・マチソンケミカルコーポレーション・ウェスタン社と業務提携し、建設用鋲打工具ラムセットの国内販売を開始
- 1971年 建設部を創設し、トンネル内装工事、機械器具設置工事に進出
- 1976年 オーストリア・GDアンカー社と技術提携し、SNトパックアンカー、ドライモルタル等の販売開始
- 1986年 建設ファスナー株式会社を株式会社ケー・エフ・シーに社名変更
- 1997年 大阪証券取引所市場第二部に上場
- 1999年 電気化学工業株式会社と業務・資本提携
- 2007年 カーボフォル・ジャパン株式会社を吸収合併し、環境資材事業部を新設
- 2010年 積水樹脂株式会社と業務・資本提携
ケー・エフ・シーの業績:基本STAY
下のグラフはケー・エフ・シーの業績です。
赤枠が比較的重要な項目です。
売上高:○
横ばいです。
ただ、コロナの最中で景気敏感系の建設機器製造企業が成績を大きく落としていないのはいい印象です。
営業利益率:△
こちらも横ばいです。
ただ営業利益率が10%前後をウロウロしているのは好印象です。
日本の企業の機械製造業は経常利益率は5%以下である事が多いので、そのことを考えると好成績と行っていいでしょう。
EPS(1株当たり当期純利益):△
横ばいです。
下がってないだけ良いでしょう。
セグメント別利益
建設とファスナーの二本軸に土木資材がスパイスとして効いている感じです。
景気敏感に偏っている感じがしますが、建築機器会社なのでこんなもんでしょう。
個人的には軸が複数あるのは好印象です。
ケー・エフ・シーの財務体質:かなり好体質
総資産:○
総資産は微増傾向です。
自己資本比率:◎
自己資本比率は右肩上がりです。
純資産を見ても順当に増えているので企業としての安全性はかなり高いです。
BPS(1株当たり純資産):◎
BPSも増加傾向です。
株主にとって価値が上がり続けています。
有利子負債:◎
有利子負債はもとは大きかったですが減少し、現在はほぼないです。
*総資産回転率(売上高÷総資産) :△〜○
総資産回転率は経営効率を計る指標で「保有資産1円がいくらの売上を生むか?」という指標になります。
総資産回転率は横ばいです。
売上高も総資産もほぼ横ばいだったのでこんなもんでしょう。
常に1円の資産で1円の売上を出していて、業績は横ばいながらも財務体質は改善しているので良い感じに効率よく企業を運営していると思います。
ケー・エフ・シーのキャッシュの動き:キャッシュは可もなく不可もなく
営業活動によるCF:○
黒字であることが多いですが、たまに赤字に転落しています。
フリーCF:○
黒字であることが多いですが、たまに赤字に転落しています。
総資産回転率:○
ネットキャッシュは「現金」ー「有利子負債」で示されます。
そのネットキャッシュが総資産に占める割合を表すと下の図表になります。
総資産回転率は、「総資産がどれだけ効率的に売上高を生み出したか」という資産運用効率を表す指標です。
近年ほど効率的にキャッシュを生み出しています。
この調子で効率よく企業を運営してくれると良いのですが…
ケー・エフ・シーの配当:業績が良くなるに比例して配当が増えている印象
一株配当:◎
2013年から上がり続けています。
ケー・エフ・シーは2013年に業績が底を打っており、その時点から上昇しているので業績に比例して配当を出している印象です。
有価証券報告書には以下のように記載しています。
「当社は、利益配分につきましては経営の最重要課題の一つと考え、安定的な配当を継続することを基本原則とするとともに、経済情勢、業界の動向、当社の業績に対応した配当を行っていく方針であります。」http://www.kfc-net.co.jp/ir/index.html
累進配当政策を採っているわけではなさそうですね。
配当性向:○
直近で22%で健全な感じです。
*自社株買い
自社株買いについて簡単にまとめます。
- 株主のメリット
- 株価が押し上げられる
- 一株当たりの利益の割り当てが増える
- 会社のメリット
- 配当の総額を減らすことができる
ケー・エフ・シーの株価:横ばい
ケー・エフ・シーの過去10年間の株価のチャートは以下のようになります。
2014年から上昇して、その年のうちに4倍以上の高値をつけて後は2000円くらいに収束しています。
テクニカル的にはここから大きくぶれたらその方向に大きく動く可能性があります。
ケー・エフ・シーの評判
では、巷の評判を見てみましょう。
見るのは
- Googleのサジェスト
- 社員からの評判
- 投資家からの評判
Googleサジェスト:可もなく不可もなし
「mixi 株」で検索してみると以下のようなサジェストが出ました。
目新しいサジェストはありません。
一般的には特に話題性のある話は無いようです。
社員からの評判:良い?(データ少ない)
評価は上々ですが、データが一つだけなので何とも言えません。
ただ、転職サイトの情報が少ないというのは、それだけこの会社から脱出したい人がいるわけではないということを示唆しているかもしれませんので、実際に良い会社なのかもしれません。
投資家からの評判:可もなく不可もなし
- 日経元気になるとしょぼくれる、逆相関してますね
- リニアの延期決定、株価の暴落も決定
- こんなに売られるほど、悪くないよ、ここ。ASTIには、遠く及ばないけど。
- あの、1700円台は、覗かないで、見切るよ。
上記のような評判です。
良くもなく悪くもない評価な印象です。
総括:いい企業だけどもっと良い企業がある気がする
簡単にまとめますと以下のようになります。
- 業績:横ばい
- 財務体質:とても良い
- キャッシュ:波があるが悪くない
- 配当:とても良い
- PBR:0.81倍:割安
有名ではありませんが良い株だと思います。
ただ、景気敏感株で先が全く読めないタイプの株です。
何十年ももつことはむずかしそうです。