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【優良高配当株候補】配当利回り4.8%!4502 武田薬品工業の業績を参考にしてファンダメンタルズ分析

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こんにちは多聞です。

今回は配当利回り4.8%の「武田薬品工業」についてファンダメンタルズ分析を行います。
*2021/9/11現在

この記事の主旨
・武田薬品工業の業績・財務状況・キャッシュ・配当を分析
・その上で長期保有できる株価どうか判断する

目次

武田薬品工業について

簡単な概要は以下の通りです。

決算 3月
設立1925.1
上場1949.5
特色国内製薬首位。がん、中枢神経、消化器、希少疾患等に重点。巨額買収で世界売上上位10強入り
連結事業医薬品100【海外】83 <21・3>
業種コード3250
業種名医薬品
解説記事【やや後退】潰瘍性大腸炎薬『エンティビオ』等主力伸び、苦戦の血友病薬補う。血漿由来製品堅調。シャイアー統合負担も減る。だが前期膨らんだ製品売却益減り研究開発費もかさむ。小幅営業減益。税平常化。
【ワクチン】政府と供給契約のモデルナ社品5000万回分表記織り込み。治験1/2相進行、下期供給開始見込む年2・5億回分契約のノババックス品は織り込まず。

武田薬品工業は国内最大手の製薬会社であり、一般向けには「アリナミン」や「漢方胃腸薬」などで有名です。

武田薬品工業は医薬品を扱う企業で不況でも安定しているので業績が比較的変動しにくいディフェンシブ株として知られています。

また、武田薬品工業は高配当株として有名であり、高配当株投資家に人気な銘柄です。

一方、武田薬品工業の株価は下落が続いており、2018年初の高値から半値近くになっています。

本記事では武田薬品工業の業績や財務内容を中心に長期保有できる高配当株かどうかについて私の考えを紹介します。

武田薬品工業の業績:M&Aでの業績の好転狙い

下のグラフは武田薬品工業の業績です。

赤枠が比較的重要な項目です。

売上高:〇

2020年に売上が急上昇しています。

これはアイルランドのシャイアーという大きな製薬会社を買収したためです。

この買収が吉と出るか凶と出るかは営業利益率を見なければわかりません。

ただ、売上的にはいい感じに伸びているのでうまく行ったと見てもよいかと思います。

営業利益率:△

2010年がピークでそこからズルズルと下落しています。

2015年には赤字に転落すらしています。

それ以降は回復しています特にシャイアー買収の効果で2021年と2022年の予想は営業利益率は15%前後となっています。

日本の企業は営業利益率10%以上は業績良好と言われるので、武田薬品工業はシャイアー買収後は業績が好転しています

ただそれでも2010年を超えることができないのはなんともしょっぱいです。

EPS(1株当たり当期純利益):△

EPSは微妙です。

というのも営業利益率と同様、2010年がピークでシャイアー買収後もそれを超えることができていないんですよね。

来年の成績が下がって3年連続で成績が下がると安心できない株になるでしょう。

明星工業の財務体質

下のグラフは明星工業の財務状況になります。

総資産:△

総資産は基本的に横ばいです。

2019年に大きく伸びているのは間違いなくシャイアーを買収したからでしょう。

買収してから伸びているわけではないので横ばいという判定で良いと思います。

自己資本比率:×

自己資本比率は右肩下がりです。

印象悪いですね。

武田薬品工業は度重なる買収(2011年のナイコメッド、2017年のアリアド、2019年のシャイアー)を実施してしているためと思われます。

それまで蓄えていた内部留保を吐き出している感じです。

もっとも30〜40%は安全圏と言われているのでまだ危機感を持たなくても良いかもしれません。

BPS(1株当たり純資産):△

横ばいです。

ここについては微増でも良いので増えてほしいです。

この指標に変化がないということは武田薬品工業は株主にとって価値が変わっていないということになります。

有利子負債:×

シャイアーを買収したタイミングから有利子負債が滅茶苦茶増えてあまり減っていません。

不安しかありません。

*総資産回転率(売上高÷総資産) 

総資産回転率は経営効率を計る指標で「保有資産1円がいくらの売上を生むか?」という指標になります。

総資産回転率は右肩下がりです。

資産はどうにかして売り上げを上げることに費やしているようです。

武田薬品工業は有利子負債が急増しているんでそちらの負債に圧迫されている印象を持ってしまいます。

武田薬品工業のキャッシュの動き

営業活動によるCF:〇

黒字を出し続けているのは良いです。

フリーCF:〇

こちらも上がり下がりが激しいですが、基本的に黒字です。

赤転しているときは度重なる買収(2011年のナイコメッド、2017年のアリアド、2019年のシャイアー)の影響なんだと思います。

現金:△

5年前までは下がり続けて、それ以降は上昇傾向です。

ちょっと判断に迷います。

ネットキャッシュ及び総資産に占める割合:△

武田薬品工業は有利子負債があるので「現金−有利子負債」がネットキャッシュになります。

そのネットキャッシュが総資産に占める割合を表すと下の図表になります。

現在は有利子負債が多いです。

ただ、減少傾向ではあるのでこのまま減り続けて現金のほうが増えたらいいんですが…

武田薬品工業の配当:悪くはないけど、配当性向に難あり

一株配当:○

ずっと180円で固定されています。

巨額の買収投資をして苦しいときもここはブレなかったので配当に対する姿勢は評価できます。

配当性向:△

結構ブレが大きいですが100%を超えることもよくあるので不安があります。

先程は配当に対する姿勢は評価できると言いましたが、こうも配当性向が高くなると明らかに経営を圧迫することになります。

そうなると減配の判断がされることもありうるでしょう。

*自社株買い

自社株買いについて簡単にまとめます。

  • 株主のメリット
    • 株価が押し上げられる
    • 一株当たりの利益の割り当てが増える
  • 会社のメリット
    • 配当の総額を減らすことができる

武田薬品工業は配当金を配るようになってから積極的な自社株買いは行っていません。

武田薬品工業の株価:下降傾向

過去10年間の株価のチャートは以下のようになります。

2015年まで上昇傾向、2015年から2018年は横ばい、それ以降は下降傾向な感じです。

基本下落基調と思ったほうがいいと思っています。

総括:

簡単にまとめますと以下のようになります。

  • 業績:物足りない、買収の効果が見て取れていない
  • 財務体質:悪い、自己資本比率は下落傾向で有利子負債が大きい
  • キャッシュ:悪い、営業CFは良いが有利子負債の割合が多いのが辛い
  • 配当:配当に対する姿勢はいいが、配当性向が高すぎて減配リスクあり
  • PBR:1.13倍:適性〜やや割高

長期保有する高配当企業ではないと思います。

有名会社なので調べればすぐに色々出てきますが、Googleのサジェストで一番上に来るのが「武田薬品工業 やばい」だったのはちょっと面白すぎです。

現在は製薬会社というより製薬系の投資会社っぽくなっている印象を受けてしまいました。

その投資も今のところあまり成功しているとは思えないのでリスク高めの企業に思えます。

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