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有名高配当株「8316 三井住友 FG」の分析〜現状、買って損はないが配当性向には注意が必要!〜

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今回は有名な高配当株「三井住友FG」の分析を行います。

目次

記事概要

三井住友FGは日本の主幹銀行の一角なので潰れることは想定しません。

なので先々まで安定して配当が出続けるかが注目点と考えています。

各指標の推移を見たところ

  • 配当利回り        :5.19% ○
  • PBR           :0.44 ○
  • 売上高経常利益率     :18.22% ◎
  • 自己資本比率       :4.88% △
  • EPS(一株当たり利益  ):△ ほぼ横ばい
  • BPS(一株当たり資産)  :◎ 右肩上がり
  • 一株配当         :○ 累進的配当
  • 配当性向(配当金÷純利益):△ 直近は少し高すぎ

✕がつくところがなくかなり印象が良いです。

ただし、累進的配当ではありますが直近で配当性向が高くなっているのが気になります。

JTの二の舞になると一気に魅力が欠けるようになりますので・・・

会社概要

  • 銀行業
  • 傘下に三井住友銀、SMBC日興証券、プロミスなど。3大金融グループの一角、効率性トップ

日本では言わずとしれた超超大手の銀行グループ。

正直、この会社が潰れるときは日本の経済が本格的に終わるときと言えるので、潰れることは想定しません。

チャートはボックスレンジで推移しています。

急に2000を下回ってこない限りは問題ないと思っています。

財務状況

私は高配当株を検討するときは財務状況が優れているか見ています。

財務状況が優れているかは基本的には以下のリンクの考え方に沿って選別を行います。

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  1. 配当利回り3.75%以上
  2. PBRが0.5〜1.5
  3. 売上高営業利益率が10%以上
  4. 自己資本比率が50%以上
  5. 流動比率が200%以上

簡単に条件を上げると上のようになります。

では三井住友FGはどうでしょう

配当利回り5.19%
PBR0.44
売上高営業利益率
売上高経常利益率

18.22%
自己資本比率4.88%
流動比率

売上高営業利益がないのは銀行はモノを売っていないので、業務の種類ごとに収益と費用を分け、その差し引きからさらに営業経費を引いて経常利益を出すためです。

また、流動比率がないのは銀行のBSには1年以内に現金化、または返済・支払期限が来るかどうかで区分けする「流動」「固定」の概念がないためです。

さて、では各項目について軽く触れていきましょう。

配当利回り:5.19% ○

配当利回り5.19%はかなり好印象です。

ただし、この値が無理をしていないかもう1段階深く調べる必要があります

PBR:0.44 ○

PBR0.44は銀行としては健闘している感じです。

基本的にPBRが低いと成長性が乏しいのですが、現在の銀行業では低くて当然です。

なので0.44は問題ないと考えます。

売上高経常利益率:18.22% ◎

売上高経常利益率ですが、売上高営業利益率と同様の見方をします。

売上高営業利益率は18.22%と選別条件の10%を超えています。

これだけの率を出しているということは業界内では確固たる地位を占めていることになります。

自己資本比率:4.88% △

自己資本比率は圧倒的に少なく思えますが、銀行はある意味特殊な企業なのでこの値は異常値ではありません。

以下のリンクにも書かれていますが、銀行の自己資本比率は国際業務を行う銀行は8%(国際統一基準)、国内業務のみを行う銀行は4%(国内基準)となっています。

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自己資本比率(銀行) 「よくわかる!金融用語辞典」は、金融大学が運営する金融学習の情報発信サイトです。金融大学では、金融や経済のしくみをやさしく解説しています。

三井住友FGは国際業務も行っているので4%は少し物足りません。

近年の動向

近年の動向とはIR bankというHPで掲載されているデータからここ10年の企業の成長具合を見ていきます。

基本的には右肩上がりだと優良な企業であると判断します。

ここで注目するデータは以下のとおりです。

  • 売上高
  • EPS
  • BPS
  • 営業活動におけるキャッシュフロー
  • フリーキャッシュフロー
  • 一株配当
  • 配当性向

まずは、一覧で見てみましょう。

では、各項目をもう少し深堀りします。

売上高:なし

銀行業は売上という概念がないのでないです。

EPS(一株当たり利益):△ ほぼ横ばい

2014年で頭打ちになってあとはほぼ横ばいです。

銀行という今は衰退しつつある業態である以上ある程度は仕方ないかと思います。

ただし、2014年から現金をかなり貯めるようになっているので、その当たりが影響しているのかもしれません。

BPS(一株当たり資産):◎ 右肩上がり

こちらは完全な右肩上がりでいい感じです。

営業活動におけるキャッシュフロー:* 銀行業ではスルー

営業活動によるキャッシュフローは以下のように考えます。

  • 本業とそれに関する債権・債務に関するCFの状況
  • プラスであることが望ましい
  • 毎期安定成長⇒リスクの低い事業の可能性
  • 変化が大きい⇒成長期か安定しない事業の可能性

この考えのもと見ると安定してプラスでもありません。

ただ、銀行はお金を貸して利鞘を得ることを業務としており、貸したお金が営業活動によるキャッシュフローに含まれます。

なので銀行業ではここの項目は重視できません。

フリーキャッシュフロー:* 銀行業ではスルー

フリーキャッシュフローは以下のように考えます。

  • 得られた現金
  • マイナスが継続すると資金繰りが破綻する
  • 特に設備投資が必要な業態は注意

これも銀行というある種の特殊な業務である以上あまり重視する指標ではありません。

一株配当:○

今の所、減配の実績はありません。

連続増配ではありませんが、日本ではこれで問題ないです。

配当性向(配当金÷純利益):△ 直近は少し高すぎ

基本的にはおそらく30%前後を狙いたいのかもしれません。

ただ、2021年は52%と少し高すぎになっている感じがあります。

このまま上昇するとJTの二の舞になる可能性が見えてきます。

配当持続力

配当持続力とは、「ある時期の業績で同様の規模の配当を続けることができる財力を年で表したもの」です。

会計理論的には23年とそれなりに長期にわたり配当することができそうです。

会計理論的な配当持続力(調整後利益剰余金÷配当総額):約23年

調整後利益剰余金(期末利益剰余金-期末配当額)を原資として、 最近の配当実績と同水準の配当を何年間継続することができるかを見ている指標です。

会計理論に基づく配当可能年数となります。

(6,492,586,000,000ー267,143,000,000)÷267,143,000,000=約23.3

ということで会計理論的な配当持続力は23.3年となります

より実際的な配当持続力(修正ネットキャッシュ÷配当総額)

期末の修正ネットキャッシュ(現預金+有価証券+投資有価証券-有利子負債-期末配当額)を原資として、 最近の配当実績と同水準の配当を何年間継続することができるかを見ている指標です。

指標①よりも現実的な配当可能年数となります。

計算できませんでしたorz

企業の株主への還元意識:累進的配当

三井住友は累進的配当を実施する方針のようです。

もちろん業績が一気に悪化するとこの方針が覆される可能性がありますが、このように減配をしないと表示しているのは高配当株投資を目指すものとしてはうれしいです。

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