こんにちは、多聞です。
今回は「高額療養費制度を知ろう①~実際にいくら戻ってくるのか~」ということをテーマに書いていこうと思います。
以前の記事でも高額療養費制度について触れていて、これがあるから民間保険は必要ない!
と言い切っていました。
でも、高額療養費制度についてノウハウが無いと使うタイミングが分からないと思うので、高額療養費制度について掘り下げていこうと思います。
では目次です。
概要:高額療養費制度で支払額は大きく減らせる
高額療養費制度は健康保険の中の制度でだれでも利用できます。
それによってどれだけ医療費がかかっても無制限に医療費の自己負担を軽減できます。
大多数の日本人はこの制度によって医療費を何があっても10万円以内に抑えることができます。
高額療養費制度とは
高額療養費とは、同一月にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額(自己負担限度額)を超えた分が、後で払い戻される制度です。 (健保HPより抜粋)
いきなり硬い文章でしたね。
しかし、この文章の中に重要なエッセンスが入っています。
まず「同一月」です。
これは治療を受けた月の1日から最終日までの間のことです。
例えば、
- 高額な治療を受けたのが1月5日と1月25日で治療内容が異なっても、これは同一月とみなされます。
- しかし、ある病気に対して1月30日と2月5日に2回に分けて高額な治療を受けたときは同一月とみなされません。
次のエッセンスは「一定の金額を超えた分」です。
これについては下の図が参考になると思います。
ただ、文字ばかりで嫌になる人もいるかもしれないので、簡単にすると下の感じです。
年収 | 自己負担限度額 | 3か月以上負担した場合 |
1160万円以上 | 252600+(全医療費-842000)÷100 円 | 140100円 |
770万円~1160万円 | 167400+(全医療費-558000)÷100 円 | 93000円 |
370万円~770万円 | 80100+(全医療費-267000)÷100 円 | 44400円 |
370万円以下 | 57600円 | 44400円 |
住民税非課税 | 35400円 | 24600円 |
*多数該当とは:4か月以上も治療している人は負担が大きくて可哀そうだからもっと自己負担額を減らしてあげようという制度です。
具体的には後々説明します。
3つ目のエッセンスは「後で払い戻される」です。
高額療養費制度はあとで払い戻されるので、一時的には3割負担の大きな出費になることがあります。
これを避けるために、医療費が高額になることが事前にわかっている場合には、「限度額適用認定証」を提示する方法があります。
この認定証は各健康保険の窓口に申請をして発行してもらいます。
医療機関の窓口に提示することで、医療機関ごとにひと月の支払額が自己負担限度額までとなります。
いくら支払われるの?
さて、気になるいくら支払ってもらえるかです。
ここがこの制度の肝で、いくらでも支払ってもらえます。
支払ってもらえる金額自体には制限がありません。
なので重要なのは、自分がどれくらい支払うのか、ということです。
どれくらい払えばいいの?
では、どのケースだとどれくらい払うことになるか具体的にしていきます。
①年収1160万円以上の場合
全医療費 | 自己負担額 | 多数該当 |
100万円 | 254180円 | 140,100円 |
200万円 | 264180円 | 140,100円 |
500万円 | 304180円 | 140,100円 |
1000万円 | 354180円 | 140,100円 |
2000万円 | 454180円 | 140,100円 |
②年収770万円~1160万円の場合
全医療費 | 自己負担額 | 多数該当 |
100万円 | 171820円 | 93000円 |
200万円 | 181820円 | 93000円 |
500万円 | 221820円 | 93000円 |
1000万円 | 271820円 | 93000円 |
2000万円 | 371820円 | 93000円 |
③年収370万円~770万円の場合
全医療費 | 自己負担額 | 多数該当 |
100万円 | 87430円 | 44400円 |
200万円 | 97430円 | 44400円 |
500万円 | 137430円 | 44400円 |
1000万円 | 187430円 | 44400円 |
2000万円 | 287430円 | 44400円 |
④年収370万円未満の場合
全医療費 | 自己負担額 | 多数該当 |
100万円 | 57,600円 | 44400円 |
200万円 | 57,600円 | 44400円 |
500万円 | 57,600円 | 44400円 |
1000万円 | 57,600円 | 44400円 |
2000万円 | 57,600円 | 44400円 |
⑤住民税非課税の場合
全医療費 | 自己負担額 | 多数該当 |
100万円 | 35,400円 | 24600円 |
200万円 | 35,400円 | 24600円 |
500万円 | 35,400円 | 24600円 |
1000万円 | 35,400円 | 24600円 |
2000万円 | 35,400円 | 24600円 |
ほとんどの人は医療費が10万円以下になる
今まで年収と自己負担分の医療費を見てきました。
では、ここで日本人の年収の分布をみてみましょう。
上図のようにほとんどの人が年収800万以下です。
図から読み取るにサラリーマンの85%くらいは年収770万円に行かないのではないでしょうか。
このことから考えると、ほとんどの人は高額の医療費が必要になっても高額療養費制度によって医療費は10万円以内に抑えられるのではないでしょうか。
まとめ
高額療養費制度は個々人に対する医療費の負担を大きく下げることができます。
私個人としてはこの制度があるので民間医療保険に入るつもりはありません。
10万円の医療費のために、必要になるかわからない民間医療保険料を年間何万円も浪費することはないと考えているためです。
今回は以上となります。
皆さんの保険・生活の参考になれば幸いです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。