5月12日の夜にアメリカのCPI(消費者物価指数)が発表されて割と大きなインパクトを市場に与えました。
*CPI(消費者物価指数):どれくらいインフレになっているかを示す指標。
このインパクトによって近いうちに株価の下落が起こることも視野に入ってくるようになります。
今回は今回発表されたCPIから考えられるシナリオについて考えていきます。
この記事からわかること
・CPIについて
・今回のCPIの結果とそこから考えられる未来
CPIとは
CPIとは消費者物価指数のことを指します。
この消費者物価指数とは「去年の同月と比べて物価がどうなっているかを示す指数」のことです。
この指数からわかるのは去年と比べてインフレが進行しているのか?
もしくはデフレが進行しているのか?
ということがわかります。
インフレが進行しているならプラスの値が発表されますし、デフレならマイナスの値が発表されます。
今回発表された米国CPIの結果
今回の米国CPIは【総合CPI+4.2、コアCPI+3.0】という発表がなされました。
この2つのうち大切なのはコアの数字です。
*コアCPIは価格変動の激しいエネルギー価格や食品価格を除いています。
価格変動が激しいものを含ませるとボラリティが大きくなるので本当の物価を見極めることができません。
さて、ではコアCPIが+3.0というのはどういうことかというと去年の同時期に比べて3%インフレが進んでいることを示しています。
この3%インフレが進んでいることが市場に少なからずインパクトを与えました。
米国CPIの結果から考えられること
先程、「去年の同時期に比べて3%インフレが進んでいることが市場にインパクトを与えた」と言いましたがなぜインパクトが発生したかについて解説します。
基本的に2021年現在はインフレ率は2%が雇用などが調子が良くなり、人々の暮らしが良くなりやすいと考えられています。
そしてこのインフレ率2%を超えると過剰なインフレ状態になり、好ましくないと考えられています。
なのでインフレ率3%という結果が出ると2%に引き下げるための施策・政策が出るのではないかと市場は考えてしまいます。
インフレ率を下げるための方策とは
インフレ率3%を2%に引き下げるにはおそらく金融政策面で何らかのアクションがあるでしょう。
そして、金融政策を取りまとめているのは中央銀行なのですが、アメリカの中央銀行はFRBという組織です。
FRB議事録で株価が大きく動くこともあるので株をしている人は知っている人も多いかと思います。
このFRBがインフレ率を2%にするために緊縮政策を実行していくようになるかもしれません。
こうなると市場のお金の流通が減りますからインフレ率が2%になるでしょう。
ただし、この場合は確実に株価が下がります。
どうして株価が下がるかは複数の要因が絡まるのでここでは説明を省略します。
しかし、緊縮政策の実行の仕方や発表の仕方を間違えると悪夢のような大々的な暴落もありえます。
何を今後注視する必要があるか
今後はこのような暴落を直撃しないためにはFRBの議事録の発表やFRB議長のパウエル氏の発言に注意する必要があります。
この手の情報収集はネットで検索をかけるのが一番わかり易いです。
速報がほしいなら証券会社のマーケットニュースが適当です。
また、FRB議事録議事録は毎月第一金曜の夜9時か10時に発表されるのでここで確認するのも良いでしょう。
とにかく、アメリカが金融の引き締めをやるかどうかが株価の状況に大きく影響を与えるので注視する必要があります。
個人的な見解
個人的には今回のコアCPI+3.0というのは金融政策にまだ影響を与えないと思っています。
というのも、去年の4月というのはコロナによる経済活動への打撃がきつい時期でした。
現在はその頃から一巡していますし、その頃と単純に比較したら
「CPIが上昇するのも仕方ないよね。」
という感じです。
ただ、このCPI+2.0以上が今後も連続して観測されると金融引締に向かう可能性が高まってくるので今後もCPIの推移にはアンテナを張っていかないと行かないでしょう。