こんにちは多聞です。
今回は配当利回り3.8%の「横田製作所」についてファンダメンタルズ分析を行います。
*2021/8/16現在
横田製作所
簡単な概要は以下の通りです。
決算 | 3月 |
---|---|
設立 | 1953.5 |
上場 | 2013.6 |
特色 | 耐腐食・耐摩耗性ポンプが強み。完全受注生産方式。石炭火力発電所用自吸ポンプで高シェア |
連結事業 | ポンプ製品51、バルブ製品13、部品・サービス35 <21・3> |
業種コード | 3600 |
業種名 | 機械 |
解説記事 | 【着実増】食品向け脱泡・脱気ポンプ回復鈍いが火力発電所向け大型ポンプが引き続き貢献。バルブは上下水道向け官公需が引っ張る。部品・サービスは電力の定期点検で底堅い。コロナ自粛で抑制の交通費反動増あるが会社営業益上回る。連続増配も。 【再構築】大幅な省力化へ仕入れから原価計算、生産・工程管理の基幹システムの入れ替え検討。テレワーク営業で効率化追求。 |
B to Bののポンプ開発が主になっています。
その中でも官公庁やインフラに関するものが多く、安定感がありそうです。
横田製作所の売上と利益について
下のグラフは横田製作所の業績です。
赤枠が比較的重要な項目です。
売上高:〇
2016年から2017年にかけて改善したのか売上高の傾向が少し上向きになっています。
基本的には2017年以降は微増傾向です。
営業利益率:◎
常に15%前後の非常に高い利益率を維持しています。
かなり業界内でも競争力の高いビジネスを持っているのでしょう。
ちなみに経常利益の話ですが、こういった機械産業の平均利益率は5%前後以下です。
このことから営業利益率15%がかなり優秀ということが分かります。
EPS(1株当たり当期純利益):〇
2017年に伸びてからは横ばいです。
横田製作所の財務体質
下のグラフは横田製作所の財務状況になります。
総資産:◎
総資産は右肩上がりです。
特に2013年からの伸び方がかなり順調で好印象です。
自己資本比率:◎
自己資本比率は2015年からほぼ横ばいです。
しかし、常に80%前後を維持しているのは素晴らしいです。
かなり強固な財務体質をしているといえます。
BPS(1株当たり純資産):〇
右肩上がりです。
株主にとっての企業価値が増加しています。
有利子負債:◎
有利子負債はありません。
健全な財務状況です。
*総資産回転率(売上高÷総資産)
総資産回転率は経営効率を計る指標で「保有資産1円がいくらの売上を生むか?」という指標になります。
2010 | 2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 |
1.115 | 0.895 | 0.951 | 0.991 | 0.783 | 0.752 | 0.745 | 0.748 | 0.720 | 0.690 | 0.629 | 0.630 |
正直、総資産回転率は完全な右肩下がりです。
つまり、遊ばせているお金が積もり続けている状態です。
こうなると期待したいのはそうした余剰資金を株主に還元してもらいたいですね。
横田製作所のキャッシュの動き
営業活動によるCF:〇
基本的に安定してほぼ黒字です。
フリーCF:〇
基本的に安定してほぼ黒字です。
現金:◎
順当に増えていっています。
営業利益が大体2億弱でそこから大きく乖離した増え方をしていないので増え方も怪しくはないでしょう。
ネットキャッシュ及び総資産に占める割合:◎
横田製作所は有利子負債が無いので現金がそのままネットキャッシュになります。
そのネットキャッシュが総資産に占める割合を表すと下の図表になります。
横田製作所 | ||||||||||||
年度 | 2010 | 2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 |
総資産 | 145964 | 149423 | 190969 | 184440 | 197811 | 204287 | 213934 | 227416 | 242662 | 255083 | 275477 | 290043 |
ネットキャッシュ | 54812 | 53270 | 81262 | 62136 | 68689 | 72504 | 85499 | 101537 | 108518 | 121273 | 128421 | 142071 |
割合 | 0.376 | 0.357 | 0.426 | 0.337 | 0.347 | 0.355 | 0.400 | 0.446 | 0.447 | 0.475 | 0.466 | 0.490 |
2013年以降順調に増えていっています。
かなり調子が良いですね。
横田製作所の配当
一株配当:◎
一株配当は年々増配しています。
累進配当政策を行っている感じですね。
配当性向:〇
配当性向は50%をオーバーしておらずまだまだ余裕がある感じです。
ただ、配当性向そのものが増え続けているのでどこかで頭打ちする可能性があります。
横田製作所の株価
過去5年間の株価のチャートは以下のようになります。
若干上昇傾向のですが基本的には横ばいな感じです。
ある種の安定企業といえそうです。
総括:長期保有高配当株として優秀
簡単にまとめますと以下のようになります。
- 業績、財務体質、キャッシュは軒並み優秀
- 配当も優秀だが、いつまでもこの調子が続くかはわからない
高配当株としてはかなり優秀な会社だと思います。
PBRは0.88と1を切っているので市場からは割安な株とみられています。
また、企業風土は公務員っぽい感じですね。
ニッチな分野で大きな力を持っているので安定感はありますが、新しく大きな変化はなかなか生まれないように思います。