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今後の電波市場の行方〜既得権益産業は先行き不安・IOT市場の活性化になるか〜

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こんにちは多聞です。

今回は「今後の電波市場の行方〜既得権益産業は先行き不安・IOT市場の活性化になるか〜」ということで今後の電波市場の行く末についてまとめていきたいと思います。

菅政権ができて携帯電話料金の値下げが取り沙汰されるようになりました。

この影響を受けてdocomo、KDDI、ソフトバンクなどの携帯各社の株価が下落し、人によっては投資の方法の再検討が行われたかと思います。

しかし、今回の携帯電話料金の値下げの影響はそれだけではなく別の分野にまで影響をもたらしていく可能性があります。

今回はそれらの影響についてまとめていきます。

今回の記事は以下の人向けです。
・携帯電話料金の値下げについて知りたい人
・値下げの影響がどのように発展していくか知りたい人

今回の記事を読むと以下のことが分かります。
・携帯電話料金の値下げの理由
・各社の対応
・政府の実際の狙い

目次

結論

携帯電話料金の値下げはテレビ業界にも波及するかもしれない。

今回の値下げの話は空き電波帯の確保が目的と考えられる。

空き電波帯を確保するのは、5Gの普及する世界に対応するためと考えられる。

電話料金の値下げの概要

携帯電話料金の値下げについてです。

そもそもなぜ菅首相が値下げを言及したのかですが、これは携帯電話大手3社が公共の財産である電波を利用して非常に高い営業利益を出していたからです。

ピンとこない人もいると思うのでかみ砕いて簡単に言うと

「誰でも使う権利がある電波というものをキャリア3社が独占して、もっとみんなの携帯料金が安くても十分成り立っていけるはずなのに、3社で共同して値段を釣り上げて利益を大きくとっている」

ということです。

これについて菅首相は高い値段設定をやめて営業利益も国際標準的なレベルまで下げるように言及しました。

これに対する3キャリアの対応は以下の通りになります。

・docomo  :NTTグループの完全子会社化することで経営効率を上げて値下げに対応する
・au     :値下げに対応する
・ソフトバンク:値下げに対応する

以上が携帯電話料金の値下げについての概要になります。

では、ここから深掘りしていきましょう。

値下げに対応しなかった場合の電波使用料の値上げの裏側

先ほど、キャリア3社が値下げに対応したため流された件なのですが、菅首相は

「値下げに対応しなかった場合、対応しない企業の電波使用料金を上げる」

と発言しています。

少し考えると違和感のある発言です。

というのも企業の電波使用料を上げるとそれに伴って携帯電話料金が上がってしまう可能性があったからです。

もちろん、政府もこの可能性に気づかないほどバカではありません。

では、政府が何をしたかったのかというとキャリア3社に使っている電波帯を減らしてほしかったのではないかと考えられます

これは別の言い方をすると

政府はキャリア3社の利用している電波帯を減らして、空白の電波帯を獲得したかったのではないかと考えられます。

空白の電波帯獲得のためにテレビ局にもメスの入る可能性

さて、先程は空白の電波帯獲得を政府は目指していると言いました。

ということは日本で最大級に電波を利用しているテレビ局にもメスが入る可能性が考えられます。

実際にテレビ局は何十年も前から電波使用料を変えておらず、携帯3キャリアの数%の電波使用料しか払っていません。

下の表は2018年の携帯電話会社とテレビ局の電波使用料の表になります。

NTTドコモ178億3440万円
KDDI200億6370万円
ソフトバンク160億4750万円
NHK20億1790万円
日本テレビ4億6040万円
フジテレビ4億3910万円
TBSテレビ4億3520万円
テレビ朝日4億4430万円
テレビ東京4億2780万円
2018年のデータを参考

見ての通り、NHKも民放も公共の財産である電波を格安で使用していることがわかります。

この点を改めるために電波オークションを導入する可能性が考えられています。
*電波オークションを導入していないのは先進国では日本だけです。

なぜ、この可能性が考えられたかというと以下の2つの点からです。

  • 携帯電話料金の引き下げを求めている点←既得権益の打破
  • 河野行政改革大臣の就任←政治家でテレビの電波使用料について最も詳しい人物

この2つの要素からテレビ業界という巨大な既得権益を打破し、テレビの電波使用料を国際標準的な決め方をするようになるのではないかと考えられます。

こうなるとテレビの電波使用料は数十倍になるので流石に電波帯を手放すことになると考えられます。

このような流れでテレビ業界からも電波帯の獲得を行うことは十分に考えられます。

獲得した電波帯の利用方法:IOTへの利用

ここまで、政府は携帯3キャリアとテレビ業界から電波帯を獲得するのではないかと記述しました。

では、そうして獲得した電波帯はどのように活用するのでしょうか?

えはIOTに活用するのではないかと考えられています。

これから5Gが普及する世界がやってきます。

当然ですがこの5Gというのは電波でありますので、5G用の電波帯が必要になります。

そして、5Gの世界というのは電波にのせて大量のデータのやり取りができるようになります。

その中には家電製品や業務用製品、さらにはAR技術に対しても電波が必要になることが考えられるのです。

こう考えると、5Gの世界に対応するために多くの電波帯が必要になってくると予想されます。

こういった予想のもと今のうちから電波帯の確保を政府は考えているのかもしれません。

これら一連の動きから考えられる投資への影響

これら一連動きから各業界への影響は次のとおりになると思われます。

・携帯電話業界:企業の弱体化
・テレビ業界 :企業の弱体化
・IOT業界   :追い風

こうなると特に携帯電話のキャリア3社の投資における取り扱いについて変更せざるを得ません。

これまで高い携帯電話料金で大きな利益を得ていたので絶対にこれまでほど資本的に優良な企業にはなりえないからです。

実際にKDDIの株価などは大きく値下がりしています。

テレビ業界も同様です。

ただし、テレビ業界は絶対にあの手この手で政治家や官僚に根回しをして、自分たちの作る番組でも全力で反対することが目に見えているのでなかなか難しいでしょう。

ただし、Youtubeやサブスクリプションの動画配信サービスの普及で完全にテレビ業界自体は斜陽産業となりつつあるので今は投資対象にはなりにくいでしょう。

一方でIOT分野には投資する余地がまだまだありそうです。

というのも政府がこのような動きを率先しているので、その後の資金的な後押しや法令的な後押しもあるでしょう。

そう考えると特に電波を利用するIOT分野への投資は検討のより有りです。

まとめ

携帯電話料金の値下げに端を発した電波帯獲得の動きからテレビ業界やIOT業界への言及をしました。

簡単にまとめると以下のようになります。

1.携帯電話料金が高すぎるので4割下げるように政府が要求
2.キャリア3社はこの要求に応える
3.しかし実はこの要求の狙いは空き電波帯の確保が目的
4.さらなる空き電波帯確保のためにテレビ業界にメスをいれる可能性がある
5.テレビ業界は超格安で電波を利用しているのでそこにメスが入るかも
6.そこまでして電波帯を確保したいのは近い将来利用すると考えているから
7.利用する方法は5Gの普及によりIOTなどで多くの電波帯が必要になると思われるから

少々妄想じみた発想もあるかと思いますが、ありえない話でもないと思います。

こういった未来を考えると今のうちにIOT産業が強い企業に投資割合を増やすのもありなのかもしれません。

今回は以上となります。

政治的発言から経済に対する影響を私なりにまとめてみました。

今回の記事が誰かの参考になると幸いです。

ここまでご覧いただきありがとうございました。

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